本記事では、中村文則さんの小説を読んだことがない人に向けて、おすすめの作品を12冊紹介します。
中村文則さんは、ミステリーやノワール小説が得意で「銃」「去年の冬、きみと別れ」など映画化された作品がいくつもあります。
大学卒業後、フリーターとして執筆活動を続け、「銃」で第34回新潮新人賞を受賞してデビューしました。
その他にも、「遮光」で野間文芸新人賞、「土の中の子供」で芥川賞、「掏摸（スリ）」で大江健三郎賞を受賞するなど、数々の賞を受賞している。
また、海外でも高く評価されていて、日本だけでなく世界的に人気な作家さんです。すでに読んだことがある人は、次に読む作品の参考にしてみてください。
中村文則のおすすめ小説12選
さっそく、中村文則さんのおすすめ小説を12冊紹介していきます。
掏摸（スリ）
東京を仕事場にする天才スリ師。
ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。
木崎は彼に、こう囁いた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す。」
運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは。
兄弟作品「王国」もぜひ読んでみてください。
銃
雨が降りしきる河原で大学生の西川が出会った動かなくなっていた男、その傍らに落ちていた黒い物体。
圧倒的な美しさと存在感を持つ「銃」に魅せられた彼はやがて、「私はいつか拳銃を撃つ」という確信を持つようになる。
TVで流れる事件のニュース、突然の刑事の訪問、次第に追いつめられて行く中、西川が下した決断とは。
土の中の子供
主人公は27歳の青年。タクシーの運転手をして生計を立てている。
親から捨てられた子供たちのいる施設で育ち、養子として引き取った遠い親戚は殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。
彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、彼の身体に染みついている」。
彼の周囲には、いっそう暴力が横溢していく。自ら恐怖を求めてしまうかのような彼は、恐怖を克服して生きてゆけるのか。
遮光
恋人の美紀の事故死を周囲に隠しながら、彼女は今でも生きていると、その幸福を語り続ける男。
彼の手元には、黒いビニールに包まれた謎の瓶があった。それは純愛か、狂気か。
喪失感と行き場のない怒りに覆われた青春を、悲しみに抵抗する「虚言癖」の青年のうちに描いた作品です。
教団X
突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。
二人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。
神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。
何もかも憂鬱な夜に
施設で育った刑務官の「僕」は、夫婦を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。
一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している。
どこか自分に似た山井と接する中で、「僕」が抱える、自殺した友人の記憶、大切な恩師とのやりとり、自分の中の混沌が描き出される。
去年の冬、きみと別れ
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。
彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。
調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか？それは本当に殺人だったのか？
何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。
R帝国
近未来の島国・R帝国。人々は人工知能搭載型携帯電話・HP(ヒューマン・フォン)の画面を常に見ながら生活している。
ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。だが何かがおかしい。国家を支配する絶対的な存在“党”と、謎の組織「L」。
この国の運命の先にあるのは、幸福か絶望か。やがて物語は世界の「真実」にたどり着く。
あなたが消えた夜に
ある町で発生した連続通り魔殺人事件。
所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は目撃証言による“コートの男”を追う。
しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。
翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。
悪と仮面のルール
悪になるために創られた男、彼は顔を変え、過去を捨て、殺人を繰り返す。
11歳の久喜文宏は、この世に災いをなす絶対的な悪＝“邪”になるために創られたと父から告げられる。
やがて、父が自分を完全な“邪”にするために、初恋の女性・香織に危害を加えようと企てていることを知り、父を殺害して失踪する。
十数年後、文宏は顔を変え、“新谷弘一”という別人の仮面をつけ、香織を守るために殺人を繰り返していた。
そして、文宏の過去を知る異母兄の幹彦や日本転覆を企むテロ組織が香織を狙い始めたと知った文宏は、ついに自身の背負わされた運命に立ち向かうことを決意する。
私の消滅
このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。
不気味な文章で始まる手記。これを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。
その先の道に消える
アパートの一室で発見された、ある“緊縛師”の死体。
重要な参考人として名前があがる桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれていた女性だった。
疑惑を逸らすため、麻衣子の指紋を偽装する富樫。全てを見破ろうとする同僚の葉山。
だが事態は、思わぬ方向へと突き落とされていく。犯人は誰か。事件の背後にあるものとは、一体何なのか。
やがて、ある“存在告白”が綴られた驚愕の手記が見つかる。
まとめ：中村文則のおすすめ小説12冊
今回は、中村文則さんのおすすめ小説を12冊紹介しました。
中村さんの作風は暗く重いものが多いですが、それ以上に深く考えさせられる内容です。
ありきたりな小説に飽きてしまった人や、心が抉られるような本を読みたい人におすすめの作家さんです。
本を読むのが苦手な人は、映像作品から入ると読みやすくなりますよ。
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