自分がHSPだと気づかずに、辛い思いや自己否定をしてしまっている人が多いと思います。私もその1人でした。
他の人と違って細かいことが気になったり、人と距離をとるために心をシャットダウンしたり、まさにHSPの気質がありました。
本書を読むことで自分だけじゃないと気づき、このままでいいんだと思えます。
読んだ後には、きっと気持ちが軽くなって、著者の暖かい言葉に励まされ安心することができますよ。
本記事では、『繊細さんの本』を読んだ感想、重要だと感じたポイントについて紹介します。
本書を読めば、繊細でストレスを感じやす人が、繊細な感性を大切にしたままラクに生きる方法がわかりますよ。
漫画版もおすすめ!
『繊細さんの本』の概要

さいしょに、『繊細さんの本』の著者・武田友紀さんのプロフィールを簡単に紹介します。
日本で数少ないHSP専門のカウンセラー。自身もHSPである。
九州大学工学部機械航空工学科卒。大手メーカーで研究開発に従事後、分析力とHSP気質を活かしてカウンセラーとして独立。
全国のHSPから寄せられる相談をもとに、HSPならではの人間関係や幸せに活躍できる仕事の選び方を研究。
HSPの心の仕組みを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判を呼び、日本全国から相談者が訪れている。
引用:「繊細さん」の本
あなたは繊細さん(HSP)かもしれません。
- 職場で機嫌の悪い人がいると気になる
- 人と長時間一緒にいると、疲れてしまう
- 小さなミスに気づいて仕事に時間がかかる
これらに当てはまることがありますか?
繊細さんは相手の感情やその場の雰囲気はもちろん、光や音まで、周りの人が気づかない小さな変化を感じとっています。
この「感じやすい」性質は、長い間「気にしすぎ」「真面目すぎる」など、個人の性格によるものだと思われていました。
ですが、ある調査により「生まれつき繊細な人」が、5人に1人の割合で存在していることがわかりました。(全人口の15〜20%)
それはHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれています。(心理学者エレイン・アーロン博士が提唱)
繊細さとは、背の高い人や低い人がいるように、生まれ持った気質なのです。
『繊細さんの本』ってどんな本?(要約)

『繊細さんの本』は全5章から構成されています。
- 第1章:繊細さんがラクになれる基本
- 第2章:毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
- 第3章:人間関係をラクにする技術
- 第4章:肩の力を抜いてのびのび働く技術
- 第5章:繊細さんが自分を活かす技術
各章ごとに重要だと感じた部分について、カンタンに紹介していきます。
第1章:繊細さんがラクになれる基本
第1章では、繊細さんが抱えがちな悩みや、それに対する対処法が紹介されています。
繊細な人と繊細でない人では、脳の神経システムに違いがあるといいます。
たとえば、人といると疲れてしまうのも、神経システムが関係しています。
- 空調のかすかな音
- 誰が楽しんでいて、誰が無理して笑っているか
- その場の雰囲気が明るいか、どんよりしているか
こういった些細なことに、繊細さんの心はフル回転しています。
感じる力が強く、他の人にとって何でもない刺激が、繊細さんにとっては強すぎるのです。
だから「こんな細かいことを気にするなんて私がおかしいのかな?」と自分を責めてはいけません。
と言うのも生まれ持った気質のまま、繊細な感情や感性を大切にしたままでも、もっと元気に生きていけるからです。
第2章:毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
第2章では、五感別の刺激の予防方法について紹介されています。
繊細さんは、人の感情や小さな音、わずかな光まで、さまざまな情報を感じとるため疲れやすい。
「職場でストレスを感じるのがつらくて、感じないように感覚を麻痺させている」「人の気持ちを感じて疲れるから、集団の中では心のシャッターを降ろしている」など。
こういった対処の仕方はNGです。余計につらい状態を長引かせてしまう。
なぜなら、いいものを感じるのも、嫌なものを感じるのも同じ「感覚」だからです。
刺激から受けるダメージを減らすために、身の回りの「モノ」や「環境」を工夫することが大切です。
その中でも「視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚」という5感に分けて、より鋭いものから取り組んでいきましょう。
五感ののうち、どの感覚が鋭いのかは、人によって異なります。
聴覚と嗅覚が鋭いと感じるため、この2つをさらに詳しく見ていきます。
聴覚
聴覚に対して、効果のあった方法は以下のとおりです。
- 耳栓をする
- 心地よい音楽を聴く
- ノイズキャンセリングイヤホンをする
電車で移動中の場合、かなりの音が入ってくるので必ずイヤホンをつけて好きな音楽やラジオを聞いています。
また長時間、音にさらされる新幹線や飛行機をよく利用する人には、ノイズキャンセリングイヤホンが便利です。
周りの音を遮断してくれるため、1人の世界に入ることができます。
嗅覚
嗅覚に対して、効果のあった方法は以下のとおりです。
- マスクをする
- アロマペンダントをつける
- 好きな香りの香水・ヘアワックスをつける
きつい香水の匂いや、都会の空気の匂いが苦手でなるべく避けるようにしています。
また自宅では、好きな香り(石鹸・ハーブ系・樹木系)のルームフレグランスを使って、リラックスしています。
第3章:人間関係をラクにする技術
第3章では、人間関係のコツについて紹介されています。
人間関係とは、「表に出している自分」に合う人が集まってくる、というシンプルな構造です。
つまり、「本当の自分」を抑えて殻をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまう。
たとえば、職場でテキパキしていると、「テキパキしていていいな」という人が集まってきます。
そして、「もっとテキパキしなきゃ!」と思い、本当の自分を置いてきぼりしてしまいます。
繊細さんは、素の自分を出せば出すほどラクに生きていける。
今まで相手の気持ちを優先していた人が、自分の意見を言ったり、嬉しいときも嫌なときも素直に顔に出してみてください。
すると「人間関係の入れ替わり」が起こり、あなたの気持ちや意思を尊重して、大切にしてくれる人だけが残るようになります。
また、繊細さんは相手のことを嫌えないがゆえに、人間関係に苦労します。
ですが「キライ」は生きていく上で大切なセンサーで、依存されたり、過度に干渉されるのを防ぐことができる。
キライな相手は避けていいし、可能ならその人の相手は誰かに任せるほうが、お互い幸せな時間が増えるのです。
「全員と仲良くする必要なんてない」自分の気持ちにもっと素直になっていいんだと分かり、心が軽くなりました。
第4章:肩の力を抜いてのびのび働く技術
第4章では、繊細さんがのびのび働き、安心感を増やす方法が紹介されています。
繊細さんは「考え疲れ」や「緊張疲れ」で神経が休まらず、体よりも頭が疲れてしまっています。
さまざまなことを感じとり、深く考えながら仕事をするため、1つひとつ集中して丁寧に仕上げるのが得意です。
一方で、広く浅くやるマルチタスクは不得意で、繊細さんには向いていません。
いくつも仕事を抱えていたら、優先順位をつける。難しいなら、重要なものを1つだけ選ぶのがおすすめ。
この考え方は、『エッセンシャル思考』と同じで、仕事が忙しい人にも参考になります。
繊細な人に合う仕事とは?
繊細さんが充実感を感じながら、幸せに働くための条件は以下の3つです。
- 想いーやりたいこと、いいなと思えること
- 強みー得意なこと
- 環境ー職場環境や労働条件
これら3つを満たせるところに、幸せにできる仕事(=適職)があります。
繊細さんは得意なことにあまり目を向けず、苦手なことばかりに力を注いでしまいます。
でも「苦手なこと」は、「向いていない」ってことなんですよね。
「自分が幸せに働ける仕事」について、ゆっくり時間をとり、よく考えてみる必要があります。
第5章:繊細さんが自分を活かす技術
第5章では、繊細さんの素敵なところと活用術について紹介されています。
繊細さんには、共通する5つの力があります。
- 感じる力
- 考える力
- 味わう力
- 良心の力
- 直感の力
これらの力を強みとして、人間関係・仕事・趣味で活かしていく方法が書かれています。
とくに、繊細さんはとても聞き上手な人が多いそうです。
と言うのも、普段から相手の言葉を深く受けとり、親身に耳を傾けるクセが身についているからです。
価値観の異なる相手でもカンタンに否定せず、1度話を聞いてから、自分なりに受け止めてくれるため、安心して話せる。
なにより、受け止めてもらえる嬉しさがあるから、たくさん話したくなるし相談もしたくなりますよね。
全力を出すには、自由に感じていい、安心できる場所にいることが大切です。
心と体がのびのびできる環境を見つけて、持っている繊細さを活かしていきたいと思えました。
『繊細さんの本』を無料で読む方法
さいごに、『繊細さんの本』を無料で読む方法を紹介します。
それはflier(フライヤー)という、ビジネス書などの要約を1冊10分で読める時短読書サービスを利用する方法です。

プロのライターが書いたクオリティの高い要約を、たった10分で読めるためコスパが高い。
また、忙しい人でもサクッと読めて、重要なポイントを抑えられるので便利です。
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『繊細さんの本』の感想まとめ
今回は、『繊細さんの本』を読んだ感想、参考になったポイントについてまとめました。
本書を読んでよかったポイントは、“繊細さ”というネガティブに感じていた性質を、すべて肯定してくれたことです。
今までずっとモヤモヤしながら生活していたが、同じ悩みを抱えている人がいることを知り安心できました。
そして、同じHSPである著者の暖かい言葉に励まされ、「このままの自分でもいいんだ!」と勇気をもらいました。
生まれ持った気質である繊細さは変えることができないから、ポジティブに向き合っていきたいとも思えた。
もっと自分の心の声に耳を傾けて、本音を大事にしていきたい。
HSPの人にも、そうじゃない人にも読んでほしい1冊です。
漫画版もおすすめ!